2018-04-30

西田町の昔話「鹿島大神宮の障子絵馬」

 

障子絵馬というのは、はがきより二回り大きいくらいの木枠に絵を描いた障子を貼ったものです。蛇や鷹が筆で描かれていたり、版画で押されていたりします。

何のために作られたかと言えば、お蚕さんを食べてしまう鼠を追っ払う、おまじないだったのです。

この地方では昭和の終わり頃まで養蚕が盛んでした。この絵馬にはよい繭が取れるようにと言う農家の願いが込められています。

毎年2月8日は「まゆ団子の日」と言われていました。

その日はお米の粉で繭の形をかたどったおだんごを家々で作り、郷社(鹿島大神宮)のご神前に二つ並べてある三方のひとつにあげてお参りします。

そしてもう片方の三方にあげてある障子絵馬を受けて帰り、その年の繭が無事にとれると、お礼参りをしながら郷社にお返しに来たそうです。

まゆ団子に砂糖醤油をからめて食べるととっても美味しかったとは、その頃子供だった宮の典子おばあちゃんのお話。

今では絶えてしまった、古い信仰の形です。

平成30年4月30日(月) 西田町丹伊田 鹿島大神宮

 

 

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