2018-05-22
六部と観音
昔、ある六部が旅をしていて、通りがかりの家に
「泊めてくだされ」
と頼んだが断られた。
そこで、寺に頼んで泊めてもらったという。
すると、寺の池の上にかぶった柳の根元あたりに、光ものが見えた。そこで、三日三晩、人に手伝ってもらって、ほってみたが何も出てこなかった。
もうあきらめようと想ったとき
「世に出たくて歩いているのだ」
という声が聞こえた。
そこで、もっと掘ってみると、一寸八分の観音像が出てきた。
その観音は拝んで歩いていた六部が持っていってしまったという。
郡山市史 民俗調査カード
『郡山の伝説』
昭和61年3月10日発行
監修 東洋大学教授・文学博士 大島建彦
発行 郡山市教育委員会
編集 郡山市教育委員会社会教育課
タグ: 昔話
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