2019-01-06
丹伊田の悪魔祓い
平成31年元旦、朝6時30分、丹伊田の獅子は鹿島大神宮に登ります
「―いにしえより丹伊田の里に伝え来し悪魔祓いの神業仕え奉らむと…」
祓い清められた獅子は、ご神前にぬかずいて神様の力をいただくと、勇んで鳥居を出ていきます。
トン・トン・トン
太鼓の音が小さくなっていきました。これから獅子は丹伊田の里の一軒一軒を廻って、悪魔 ―家内の災いや病気― を食い尽くしていくのです。
ひとしきり獅子が暴れ回った後は、家の人達が次々に頭を差し出して、悪いものを獅子に食べてもらいます。
日がとっぷり暮れた頃、遠くからトーントーンと太鼓の音が近づいてきます。
一日中丹伊田の里を廻って悪魔を喰い尽くしてきた獅子が帰ってきたのです。
哀調を帯びた澄んだ笛の音が鎮守の森に流れると、獅子は最期の力を振り絞って郷社に駆け登ります。励ますように響き渡る冴えた笛の音―
待ち受ける神主が、拝殿で獅子を祓い清めると、獅子は一年の眠りにつきます。
次の新しい年が巡ってくる日まで―
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